マレーシアでは、外国人でも一定の条件を満たせばライブインのメイド(外国人家事労働者・FDH)を雇えます。条件は在留資格・世帯収入・雇用理由の3つで、移民局が定めています。月額の目安は、インドネシア人ヘルパーで約RM2,850、フィリピン人ヘルパーで約RM3,340(仲介費の按分、levy、SOCSO、保険、食費を含む試算)です。この記事は移民局(Immigration Department)の公式ページ、PERKESO(社会保障機構)の資料、外務省の安全対策基礎データを一次情報として、外国人が雇うための条件・費用・手続き・保険を整理します。
結論|在留資格と世帯収入が要件。月額はRM2,850〜3,340
外国人が雇えるかは、在留資格で決まります。人材紹介会社Pinkcollarの整理では、雇用パス(EP)、居住パス・タレント(RP-T)、永住権(PR)、ラブアン雇用パス、MM2Hが対象で、MM2Hは1人までです。帯同配偶者ビザと短期滞在の保有者は、法的に雇えません(2026年9〜10月確認)。
移民局は、ヘルパーの出身国ごとに雇用主の最低収入を定めています。インドネシア人はRM7,000、フィリピン人はRM5,000です。
| 項目 | インドネシア人 | フィリピン人 |
|---|---|---|
| 雇用主の最低収入 | RM7,000 | RM5,000 |
| 月給の目安 | RM1,500〜(最低) | RM1,800〜2,500 |
| 仲介費(2年契約で按分) | 最大RM15,000 → 月約RM625 | 約RM19,500 → 月約RM812 |
| 月額の総費用(本記事の試算) | 約RM2,850 | 約RM3,340 |
月額は、次の「費用」の節で計算根拠を示します。
誰が雇えるか|在留資格・世帯・ヘルパーの条件
雇用主の条件。 移民局の公式ページに書かれた条件は次のとおりです。
- 15歳未満の子ども、または病気の親がいる(移民局の記載)。外国人駐在員は、育児・高齢者の介護・広い家の家事のいずれかを雇用理由にできると、Pinkcollarは整理しています。公式と民間で表現が違うため、申請前に移民局で確認してください
- 破産者ではない
- 1家庭につき、まず1人
- 2人目は収入RM1万超、3人目はRM1万5,000超。4人目以降は移民局長の特別承認が要る
- ムスリムの雇用主は、ムスリムのヘルパーのみ雇える
収入の下限は出身国で違います。 移民局の公式ページの一覧です。
| 出身国 | 雇用主の最低収入 | 個人保証金(Personal Bond) |
|---|---|---|
| インドネシア | RM7,000 | RM250 |
| フィリピン・スリランカ・インド | RM5,000 | RM750 |
| タイ・カンボジア | RM3,000 | RM250 |
| ラオス・ベトナム | RM3,000 | RM1,500 |
ヘルパー本人の条件。 女性で21〜45歳、指定医療機関で健康と確認され、出身国に居住していること。入国は「Visa With Reference(VDR)」経由です(移民局・2026年9〜10月確認)。
外国人の追加書類。 駐在員は、勤務先が発行する在職証明書、マレーシアの雇用主が出す直近3か月分の給与明細、マレーシアの居住先住所の証明が要ります。申請は、在留パスを発給した窓口(ESD・MDEC・MIDA・MM2Hなど)に本人が出向く形です(Pinkcollar)。
手続きの流れ|申請から就労開始まで
移民局が示す流れは、次の5段階です。
- 州の移民局で申請(新規はPRA1、交代はPRA2の様式)
- VDR(査証照会)の承認と査証の発給
- ヘルパーの入国
- FOMEMA登録の医療機関で、入国後1か月以内に健康診断
- 就労パス(PLKS)のステッカー交付
診断で不合格の場合、即時に送還されます。就労パスの有効期間は最長2年で、医療の適合を条件に更新できます。
必要書類は、申請書、雇用契約書(原本2通・RM10の印紙)、個人保証金の書面(RM10の印紙)、直近の給与明細、EPF・所得税の書類、ヘルパーのパスポートと出身国の医療報告書、夫婦の身分証で、初回申請者は婚姻証明書も要ります(移民局)。
MYFutureJobsについて。 MYFutureJobsは、PERKESOが運営する求人・雇用支援のポータルです。今回の確認範囲では、家事労働者(FDH)の申請手続きの窓口は移民局と認定エージェントで、MYFutureJobs上での雇用手続きは確認できませんでした(公表なし)。ヘルパーの募集を広げたい場合も、申請の最終窓口は移民局です。
費用|初期費用と月額
初期費用(2年契約の前払い)。
- 仲介費: インドネシア人は、認定のマレーシア仲介業者(MRA)経由で最大RM15,000(移民局)。フィリピン人は民間の試算で約RM19,500です(Pinkcollar・2024年)
- levy(外国人労働者税): 1人目RM410/年、2人目以降RM590/年(NST・The Edge・2017年12月報道)。民間ガイドも2026年時点でRM410/年としていますが、移民局の公式ページには金額の記載がなく、現行額は要確認です
- 個人保証金: 出身国で異なるRM250〜1,500(前掲の表)
- 保険・保証: 移民局は、有効期間18か月以上の保険または保証(デポジット)を要件に挙げています。金額は移民局の記載になく、確認できません(公表なし)
月額。 民間ガイドの内訳(Pinkcollar・2024年)は、仲介費の按分RM812、フィリピン人の給与RM1,800、食費RM500、医療・歯科RM85、手続き費RM68で、合計RM3,265です。ここに、levy・SOCSO・保険を加えて試算しました。
| 項目(月額) | インドネシア人 | フィリピン人 |
|---|---|---|
| 給与 | RM1,500 | RM1,800 |
| 食費(民間の例) | RM500 | RM500 |
| 仲介費の按分(24か月) | RM625 | RM812 |
| 医療・歯科 | RM85 | RM85 |
| 更新・手続き | RM68 | RM68 |
| levy(RM410÷12) | RM34 | RM34 |
| SOCSO(1.25%) | RM19 | RM23 |
| 民間保険(年RM120〜250の中間RM185÷12) | RM15 | RM15 |
| 合計 | 約RM2,846 | 約RM3,337 |
仮定は、契約期間2年、給与は最低額(インドネシア)と民間の下限(フィリピン)、食費は民間の例です。実際は給与の上振れ(フィリピン人はRM2,100〜2,500の例もあります)、休日手当、帰国航空券で変わります。
SOCSOと保険|2021年から雇用主に登録義務
PERKESOの資料によれば、2021年6月1日から、国内外を問わず家事労働者の登録は雇用主の義務です。対象は、メイド、庭師、運転手、料理人、介護者、ベビーシッターです。違反は最大RM1万の罰金または2年以下の懲役、あるいはその両方です。
外国人の家事労働者について、雇用災害保険(Act 4)の雇用主負担率は1.25%で、ヘルパー本人の負担はありません。これとは別に、障害保険と雇用保険制度(Act 800)の料率が資料に示されています。全体の料率と適用開始日(外国人分は2024年7月1日開始との記載)は、PERKESO(1-300-22-8000)で確認してください。支払いはASSISTポータルの月払い、またはPrihatinアプリでの24か月前払いです。
民間の傷害・医療・逃亡補償保険は、SOCSOの代わりにはなりません。PERKESOの登録は、他の保険に入っていても必要です(MigrateSafe)。
自社データ|家賃に対するヘルパー費用の比重
当サイトが集計したデサパークシティのiProperty現役賃貸176件(2026年9月29日時点)は、3BR以上が106件で全体の60%です。3BRの中央値はRM7,000、面積の中央値は1,507sqft(87件)、そのうちフル家具付きが60件(69%)です。この街の賃貸は3BR以上が中心です。
ヘルパー費用の月額(約RM2,850〜3,340)は、3BR中央値の家賃RM7,000に対して41〜48%にあたります。家賃と合わせた住居・家事の固定費が約RM9,800〜10,300になる計算です。なお、iPropertyの掲載データの寝室数は整数のみで、メイドルームの有無を区別していません。ヘルパーの住居スペースは、内見時に必ず確認してください。
家賃と生活費の全体像は生活費の記事、賃貸の契約は賃貸契約の記事、デサパークシティの家賃相場は賃貸相場の記事にあります。子育て世帯の選択肢はウェストサイドIII、サウス・ブルックスの棟ページ、在留資格はビザの記事、MM2Hは2026年ガイドを参照してください。
採用と信頼|外務省の注意と雇用前の確認
外務省の安全対策基礎データ(2025年12月24日更新)は、長期滞在者向けの注意として「メイドやガードマン等が犯罪者の手引きをする例もあるので、警戒を怠らない」と記載しています。貴重品は金庫に入れ、パスポートや多額の現金を自宅に置かない対応が基本です。統計全体はマレーシアの治安の記事にあります。
雇用前に、次の3点を確認してください。
- 仲介業者が、移民局の登録業者(インドネシア人はMRA)であること
- 雇用契約書に、給与・休日・契約期間・食事と居住条件を明記し、RM10の印紙を貼ること
- 入国後1か月以内の健康診断(FOMEMA)の予約と費用の負担者
家族構成・予算・希望エリアをWhatsAppで送っていただければ、ヘルパーの居住スペースがある間取りを中心に、掲載を突き合わせて個別に案内します。
よくある質問
外国人でもメイドを雇えますか
在留資格があれば雇えます。人材紹介会社の整理では、EP・RP-T・PR・ラブアン雇用パス・MM2Hが対象で、帯同配偶者ビザと短期滞在の保有者は雇えません。世帯収入の下限は、インドネシア人がRM7,000、フィリピン人がRM5,000です(移民局・2026年9〜10月確認)。
メイドを雇うと、月にいくらかかりますか
給与のほか、仲介費の按分、levy、SOCSO、保険、食費を含めて、インドネシア人が約RM2,850、フィリピン人が約RM3,340の試算です。給与の上振れや帰国航空券は含みません。
levyはいくらですか
家庭の1人目のメイドがRM410/年、2人目以降がRM590/年と報じられています(NST・The Edge・2017年12月)。民間ガイドも2026年時点でRM410/年としますが、移民局の公式ページには金額の記載がなく、現行額は要確認です。
雇用主が用意する保険は必須ですか
PERKESO(SOCSO)の登録は、2021年6月1日から雇用主の義務です。違反は最大RM1万の罰金または2年以下の懲役です。移民局は、18か月以上有効な保険または保証も要件に挙げています。民間の医療・逃亡補償保険は、年RM120〜250が目安です(民間ガイド)。
手続きにどれくらいの期間がかかりますか
半島部の標準的な処理期間は、確認できた公的資料に記載がなく、公表なしです。参考として、サラワク州では2026年1月から、デジタル化の新手続きで5〜8か月に延びたと報じられています(MigrateSafe)。
ヘルパーの就労パスは何年有効ですか
最長2年で、更新には医療の適合が条件です(移民局)。仲介費を2年契約で按分する前提で費用を組むと、途中で交代した場合の再申請費用に注意が必要です。